クラフト メルクリンとミニチュア模型制作の専門店

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ロープウェイに乗れなくてがっかり気味の私を待っていたのは、疲弊し、悲しげな顔のおじさん。「あ、だいじょうぶですか?重そうな袋を背負ってらっしゃいますが。」「私は先史時代にこの塩鉱山で働いていた鉱夫。この中に岩塩を入れるんだ。私たちのことをもっと知りたければ、この先に町の博物館があるよ。」そこで私は町の中央にある博物館に足を運ぶことにしました。
写真12 ハルシュタットでは紀元前8世紀にすでに岩塩の採掘が行われていました。おっ、これはさっきのおじさんが背負っていた袋だ。ハルシュタットは当時、高貴な人々の墓地でもあったらしく、おびただしい数の宝飾品、食器、武器などが出土しています。埋葬された人の数、約2000人。しかし、塩の採掘を背景に発達した高度な文化も、紀元前4世紀に襲った大規模な山崩れですべて破壊されてしまいました。岩塩採掘場の坑道にも岩がなだれ込み、岩の猛烈な圧力ですべてがくっついてしまったのです。当時の採掘場について調査が始められたのは、ここ200年のことだそうです。さて先史の時代はすぎ、ケルト人がここにハルシュタットという名を残して去った後、ローマ人がやってきました。このころから再び塩の採掘が行われるようになります。ローマ帝国が滅亡すると、採掘場の利権をめぐり、ザルツブルク大司教とアルブレヒト1世との間で戦争が起こりました。その名も「塩戦争」。1311年に塩鉱山が領主側のものになって以来、1998年まで塩の採掘は国営で行われていたそうです。1997年、「ハルシュタット・ダッハシュタインとザルツカンマーグートの景観」は世界文化遺産UNESCOに指定されました。アルプスに抱かれた美しい町の景観はもちろんのこと、考古学や地理学などへ果たす学術的な意義が認められた結果でした。
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ふーん、そうですかー。勉強した後はお腹すいたなー。そこで、本日唯一営業中のこのレストランに入ることにしました。このレストラン「ブロイ・ホーフ」はハルシュタットの郷土料理を出すレストランであるとともに、自家製ビールの製造元でもありました。オーストリアらしく白く濁ったヴァイツェン・ビール(小麦のビール)は鹿肉の煮込みとも相性ばっちり。「ハルシュタット・ビール」と書かれたビアジョッキを記念に購入しました。外に出ると、だんだんと霧も晴れてきたようです。それにしても、方向音痴の私もこの町では迷子になりませんでした。この通りの一方は水、もう一方は絶壁なのですから。通りの看板にはこう書かれています。「この町で死ぬとしたら、二通りの可能性しかない。すなわち、おぼれて死ぬか、石に打たれて死ぬか。」
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小麦のビールに鹿肉の煮込み、うぅーたまらん!!
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