2009年11月 のアーカイブ

2009年11月24日

トロッコ公園

早朝から埼玉鳩山町にあるトロッコ公園に出向きました。ここには「KATO3.5tガソリン機関車」と「日本輸送機2tバッテリー機関車」の2台が静態保存されています。前者は栃木県駒形石灰工業、後者は宮城県細倉鉱山で使われていたもので、いずれもレール幅610mmの軽便機関車です。

この公園の由来は、地域に住んでいたトロッコ好き少年が、撮影で訪れた地方の製材所のトロッコから転落して亡くなったことを追悼し、鎮魂(ちんこん)碑として2台の軽便機関車を保存、小高い山に遊歩道や広場とともに作られたということです。

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これがKATO3.5t。停車場のイメージで保存され、ここは「銀河ステーション」と名付けられています。私たちの目的は寸法計測です。これをHOナローとして模型化する場合、レール幅は7mm(610÷87)になりますが、入手しやすい市販レールが9mmと6.5mmという点で「KATO3.5tタイプ」として2つのゲージに共用できる車体模型化を計画しています。(動力ユニットはWB12シリーズの6.5・9mmをコンパチ)

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連休開けの平日午前とあって閑散とした中で、機関車にベタベタ触ったり手をつっこんだり、写生に訪れた老人や落ち葉を掃除している作業員さんには、きっと怪しい連中だと思われていたに違いありません。。。

ここから遊歩道1キロほど先の「天の川ステーション」にはバッテリー機関車があるということで、行ってみることにしました。遊歩道沿いには「白鳥の停車場」「鷲の停車場」2箇所の停車場、広場がありました。

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遊歩道の眼下には住宅地が見えますので森林の中という感じはしませんが、それでも久しぶりに緑と土の臭いを楽しむことができました。急な階段を降りたところが「天の川ステーション」です。

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 かわいそうに落書きをされた「バッテリー機関車」がありました。こちらは今後の資料にと、入念に計測。。。

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実際に走らせることができたらどんなに楽しいだろうね、そんな話に終始しました。
現役当時、現場の運転手さんも案外、楽しんで走らせていたに違いないと感じます。

短い滞在時間でしたが、濃厚な時間を過ごしました。天国の少年も、きっと私たちと一緒だったことを感じながらトロッコ公園をあとにした我々なのでした。。。

2009年11月21日

車両いろいろ。。。

 10月11日のプログで触れたZゲージペーパーキット・トラム(フリーランス)はこのようなスタイルに変貌してきました。ルーフだけは金属造形物にする予定でしたがコストをおさえるため、すべてペーパーでいくことにしました。

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トラムはデッキがあるので全長が大きく見えますが客室は約22mm長しかないため「WB12-6.5」動力ユニットをもってしても標準フランジは切断しなければおさまりません。この減量分とペーパーボディの軽さで集電効率が、やや低下します。客室スペースにウエイト搭載しながらペーパーボディで頑張れる限界重量を探っていきたいと思います。もちろん車体のブラシアップもしながら。。。

次の写真はオンリーワン制作しているNゲージナローコッペルです。(塗装・ロッド組込み前のものです)レール幅600mm÷160=3.75mmのファインスケールで、しっかり減速をかけた鋳造ボディ。本線9mmのNゲージと比較すると、そのコントラストは何ともたまりません。本線をゴゴォーッと疾走する傍らを、トコトコ走るナローの光景からは「お先にぃ~」「あまり飛ばすなよ~」なんて、まるでトーマスさながらの機関車同士の会話が聞こえてきそうです。

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 コッペルは海外でも多く活躍していましたので海外型レイアウトにも共存できます。TRIXのNゲージグラスカステンと並べてみるとこんな感じです。

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かわぃぃ~!

と、最近は車両ネタばかりですが、鉄道模型レイアウトは車両あってこそ。これらを配したレイアウトは近いうちに制作実績に掲載していこうと思っています。

2009年11月12日

フレキシブルレールが入荷です

とにかく曲げやすい、PECO軌間6.5mmフレキシブルレール610mm長/ジョイント/スパイクの3点が、若干数入荷しました。

元来、本線向けなので枕木がランダム配置されたナロー向けではありませんが、塗装してバラストで埋めれば、さほど気にならなくなります。無論、ナローにはハンドスパイクが最適ですが、PECOはとても曲げやすいことと、ジョイントにも強度があるという点でおすすめです。

フレキシブルレール(以下フレキ)とは、道床がなく自由に曲げられるレールを指し、PECOのほかには、メルクリン8594(660mm)マイクロトレインズNo.599(10本入/317.5mm長/ジョイント24個付 )があります。

メルクリンフレキは加工しなければ自由に曲げることはできません。現在、ポイントはメルクリンからのラインナップのみですが、メルクリンフレキとPECOフレキとの接続は可能です。但し若干レール高が異なることと枕木の太さと間隔が違います。これも前出の通り、工夫次第で何となかるレベルです。

マイクロトレインズのフレキは、PECO、メルクリンと比較すると枕木の太さと間隔が極端に違うので私たちは、単独使用向けと判断しています。

便利なPECOフレキの泣きどころは枕木にスパイク穴がひとつも空いていないことです。0.5mm程度のピンバイスまたはルーターで枕木に穴を開けて固定していきます。

続いてスパイクですがPECOは約12mmと長めです。下地が固い場合、メルクリン8999(約100本入)は約8mmですのでレイアウトによって使いわけると重宝します。

最後にPECOの価格ですが、1本¥893/ジョイント(24個入)¥368/スパイク(約300本入)¥242と、大幅にプライスダウンしました。弊社でも使用頻度がとても高いため、ご入り用のお客様はお早めにお申し込みいただければと思います。

2009年11月11日

白樺軌道

地方のとあるイベント向けに「WB12-6.5動力ユニット」を使った小レイアウトを制作中です。

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今回は白樺にレールをクネクネと敷くことにしました。単なる据え置き型ではつまらないので、流木を足にして傾斜をつけてみることに。この上にキノコを群生させてその中を機関車が走ったら農家の方々に喜んでいただけるのではないか等、想いはあれこれなのですが明日には仕上げなければなりません。。。

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きつい傾斜と急カーブですが、アップダウンでスピード変化もほとんどなく、
止まることなくのんびり走ってくれます。毎日、模型にたずさわっているのに、
走る機関車をついつい眺めてしまって手が止まります。。。

さて、唐突ですが、6.5mm動力ユニットに続いて、年内中に「WB12-9.0」を製品化することになりました。

明日中にはサイト更新いたしますが、12月26日(土)27日(日)大宮ソニックシティで開催される「さいたま鉄道模型フェスタ2009Winter」に合わせて発表・販売する予定です!

2009年11月6日

イワナとレイアウト

あり合わせの材料で、動力車のテストコース兼、習作として小さなレイアウトを作ってみようと思い立ちました。サイズは約300×190、切れっぱしの板です。単純なオーバルだけど、思いっきり勾配をつけた渓谷を鉄道が走る風景。。。

若かりし頃、渓流釣りにハマっていた私は、大イワナを求めてあちこちの渓谷に釣行しました。永い年月で削り取られたゴルジュ帯と呼ばれる険しい渓谷の風景はいまだに頭に焼き付いています。奴らは人が決して足を踏み入れることができない場所に潜んでおり、ビバーグしながら源流に向かって釣り上がっていくのですが、いつも足を阻まれたのは、ゴルジュ帯と渦巻く激流でした。そこを進むためには泳ぐしかなく、流れに押し戻され危険を経験してから私たちは「魔のゴルジュ」と呼んでいました。1写真は東北のとある渓谷で、いわゆる魚止め滝(魚がこれ以上のぼれない)といわれる大瀑布と大淵。さらに数時間かけてザイルとハーケンを使って高巻きして進むと、ゴルジュ帯が出現します。魚止め滝とは言うものの、この先にこそ大イワナは息を潜めているのです。その昔マタギが山奥に入った際、食料用として放流していたというのが定説です。IMGP5384

。。。そんないろいろな思いをこめてこの小さなレイアウトと向き合おうと思います。