2011年2月 のアーカイブ

2011年2月22日

お手軽タンク機関車

 

今日は軽便ネタで失礼します。

軽便(ナローゲージ)愛好家の皆様は「しいたけ軌道」をご存知の方が多いかと思います。以前は「木曽ガキ」などとも呼ばれ、現在中学生の熱烈・軽便少年のハンドルネームです。実は彼が作ったこの手作り作品、以前からずっと気になっていました。


ずんぐりした9mmゲージの小さな軽便タンク機関車ですが、チョコマカ走る姿は何ともいえず、いつか私もこんな可愛らしいフリーランス機関車と向き合ってみたいと思っていました。 で、たった今、試作が完成しました。「汎用アクリルシャシー動力ユニット(WB14-9.0A)」にジャストフィットするペーパー製ボディです。

いつものことながらメイク&トライで机の上は残骸の山。。。最終的にこんなスタイルに落ち着きました。


ウェイトを積んだ結果、手前ミソですがとてもよく走ります。こちらは四角窓タイプ。


車体色は明るいポップな色もいいんじゃないかと思います。鉄道模型はオタクという偏見が強いですが、この手のタンク機関車は、どなたにでも自然に受け入れていただけるような気がします。少しでも若い方々のすそ野を広げることができたらいいなぁと感じます。

まずはこのタンク機関車、動力付完成品(ヘッドライト点灯)として、オークションに近日出品します。動画もアップしますので、どうぞお楽しみに。

今日の最後に、昨年末、大宮ソニックシティのイベントに試作展示した「小型電動ターンテーブル」ですが、2月発売予定で開発を進めておりましたが、少し遅れております。ここに深くお詫びいたします。

その後、最終仕様に向けてモディファイを繰返し、ほぼスペックは決定しております。(写真は試作時のものです)


正確な角度アプローチにこだわり、ターンテーブルにありがちなズレを解消させています。商品は9mm版を先行させ、6.5mm版もラインナップしていく予定です。心臓部の精度機構は工業製品なみになってきております。

近日、充実した内容を持って本サイトでご紹介させていただきたいと思っております。どうぞ宜しくお願いいたします!

2011年2月13日

メルクリンHOレイアウト

 

今日はメルクリンHOレイアウトのメンテナンスでお客様のご自宅に出向きました。


不具合はポイントマシン(以下74490)の不調。設置直後から動きが渋いものが出始め、とうとう不動になってしまったものが複数。。。

こちらが操作パネル。レールレイアウトの意匠パネルに切換えスイッチを付けて操作しやすい設計になっています。


メルクリンHOのポイントは基本的にすべて手動で、Cトラック(道床付レール)ポイントには74490をセットアップすることではじめて電動になります。デジタル化させるためには、さらにデコーダーを追加搭載することになりますが、今回のレイアウトはすべてアナログ式にしています。


これが裏側で74490をセットアップしたもの。黄と橙のコードにつながっているものはオプションのアクセサリーのランタン(点灯式)で、ポイント切換えに合わせてランタンが回転、少し遠目でも方向視認ができます。


前回の訪問時には基本的な電源系統のチェックや、ポイント裏側に何かが干渉していないか等の確認を行なっており、74490の不良が明確だったので交換することになりました。

とても気になったのは、同時期に輸入した半数以上の74490が不良であったことです。メルクリンには「弊社が輸入した時期の電動マシンに不具合が多発していないか」を確認しました。 回答は、

「無償交換します。代替品に交換すれば問題は解消するでしょう」と、少しマトを得ないものでした。

今年になって輸入した代替品と以前に輸入したすべての74490を比較したところ、新しいものには製造日(2010.4.13.)が刻印されたラベルが貼ってありました。


以前から74490は様々なレイアウトで多用してきましたが、このようなラベルが貼ってあるものには初めてお目にかかります。このラベルが何かしらの対策をした証であるとすれば、メルクリンからの解答にも納得がいきます。

レイアウトを制作させていただいた弊社としては「お客様に対して、強靱であるはずのメルクリン製品が何故、1年たらずでこのような不具合になったかを、きちんと説明する責任」があります。お詫びとともに、これら詳細を説明してご理解をいただきました。


バラストを綺麗に落としビス止めされたレールを外していきます。専用ビスはCトラックと近似色のため固定位置がわかっていても見つけにくく、頭をナメやすいので注意が必要です。架線は現行の細いストレートタイプのため周辺を注意しながら取外し、74490を交換。動作確認後、元に戻していく作業でした。

無論、正常に動いているものは交換していませんが、これが今日交換した不良分です。


よりよい商品を作るメーカー、それを自信をもってお客様に提供する販売店。決して一報通行であってはならないと思います。不良品はただちに報告書とともにメルクリン送りになります。

2011年2月13日

Zトラムの架線集電

 

Zゲージトラムの架線集電走行シーンの動画をアップしました。

このシステムは昨年のJAMでも展示していたのですが、サイズがとても小さいため気づかれなかった方も多かったと思います。ストレートにはった架線に集電ポールは、架線ビームや引っぱり線にもひっかかることなく小気味よく回転して架線を追従走行します。

当初、トラムを商品化するときに見据えていたことですが、ストレートにはった架線への追従はシングルポールだから実現できることで、ビューゲルやダブルアームタイプなどでは、メルクリンZのシステムのように、架線を曲げなければ確実に脱落してしまいます。

模型=ディフォルメされた小曲率カーブに架線をストレートにはると、架線柱だらけになってしまいます。それでよしとするか、または架線を曲げるのか、模型をリアルに追い込んでいくと必ず突き当たるジレンマです。。。

ビームと小さなガイシは洋白エッチング板で、真鍮の架線柱にハンダで組み合わせています。


トラム側は片側の車輪電極をポールに並列接続した3極集電で、通常のレール集電と比較すると確実に効率が向上しています。

動画は前進のみですが、ポールは接触したまま後進走行もします。但し、ポールは常に進行方向に合わせなければ見た目にとても不自然です。明治村のシングルポールトラム(京都市電)は逆転走行させるとき、乗務員がこんな具合にロープを引き下げて反転させて向きをかえています。実機と同じです(笑)

これはとても気を使います。。。

目下、このような往復路線でポールを自動反転させる仕組み作りと戦っています。