2011年5月 のアーカイブ

2011年5月28日

制作完了!

 

「鉄道模型ちゃんねる・スペシャル2」の制作と合同収録が終わりました。先のブログでもご紹介の通り、今回制作したのは「昭和の熱海」1800×1000mm。当初のサイズは、1800×900mmでしたが、どうしてもレイアウトが取れず100mm延長。これがさらに自分たちを苦しめることになりました。。。

プランニング、材料収集からスタートし、下地のボードが仕上がったのは連休中頃でした。そこから完成までの約20日間は、今まで経験したことがない、とても苦しい戦いになりました。

短い期間でも、クラフトのカラーをしっかり出せるような「昭和の熱海」を表現したい。

これはパートナーの岡野も同じ気持ちだったと思います。彼は通勤時間を惜しみ、連日アトリエに泊まり込みで頑張ってくれました。ほんとうに感謝です。

また、道路と海の表現素材を、こころよく協賛提供いただいたモーリンさん、そして社長ご子息の前山君に心から御礼申し上げます。今回の作品には提供いただいた素材をふんだんに使用して、お陰様で思い通りのテイストに仕上げることが出来ました。

番組では必ず最後の制作フィニッシュを撮影します。今回は作品をアトリエから持ち出す直前でした。我々は前々日からは不眠、もうろう状態の中でカメラは回りました。

フィニッシュ後、担当ディレクターの最後の質問に答えるのですが、今回ばかりは自分は言葉がうまくでなかった。。。

今回のまとめを問われると、達成感以前に、この20日間がフィードバックして、涙が出てきました。

とにかく精一杯やりました。 これが「我々の昭和の熱海」です。


搬出、数時間後に合同収録現場に移動。現場では、呉尾さん畑中さんもギリギリまで手を入れています。ご両名も相変わらずに、すごいです。短い制作時間や、寝ていないことが偉いというわけではなく、模型に向き合う執念や人間模様に心を打たれました。


最終的に制作期間を1日半、延長していただいたりで、番組制作スタッフの皆さんは、合同収録までは気が気でなかったことと思います。まだ副音声収録が残されていますが、今回も終始、大変お世話になりました。


収録はクレーンを使った大掛かりなものです。いつも感じるのはプロデューサーの歯切れと段取りのよさです。無駄なく的確に指事が飛びます。まさに達人です。

唯一の鉄道模型専門番組「鉄道模型ちゃんねる」の存在は、我々模型好きにとって、かけがいのない大切な番組です。

これからも続けてほしいという願いと敬意を、船の大漁旗にこめました。


オンエアを是非、ご覧ください。

2011年5月21日

猛烈な近況

 

6月11日放送の「鉄道模型ちゃんねる・スペシャル2」の制作締切二日前です。

まだまだと言えばそれまで。まだ二日あると思えば少し気が楽になったり。。。とにかく精一杯やるのみです。時にはどんな風に撮れているのか確認しながら。。。対象物がとにかく小さいのでカメラワークにも苦労が多いようです。


塗装は模型だからといって防塵マスクなしで甘く見ると、すぐに胸が痛くなります。ウィンクしてる場合じゃないっすね(笑)

完成後は呉尾さん、畑中さん、それぞれの作品を一ケ所に集めて収録、その後、オンエア直前に本編を見ながら、スタジオで副音声収録、これで今回のミッションはすべて完了になります。今回のナレーションも楽しみです。。。

副音声はシーンに合わせて、我々制作者がいろいろな裏話を語るのですが、前回のスペシャルではかなり好評だったようです。今から話すことを考えたりしています。

さて、今回の作業で重宝しているもの数点をご紹介します。はじめはプロクソンの円盤ノコ。


玩具っぽいですが、小さなパーツを卓上でサクサク切れる大変便利なツールです。いろいろあるツールの中でも、今回、これが一番の稼働率でした。


歯はこんな感じです。小さいですが、一歩間違えると大怪我する威力があります。ガイドなしで使っていますが皆さんは決して真似をしないで下さいね(汗)

次はアルテコ・速乾アクリア(接着剤)。


ペーパーストラクチャ-の組み立てには必須です。先端が細くピンポイントで狙え、微妙な抽出量のコントロール性にも優れています。特にシャープなエッジを意識した我々のペーパーストラクチャーはコグチ面で合わせるのが特徴で、これがないと絶対に作れません。硬化スピードなども考え抜かれた最強の接着剤です。使用シーンは番組でも紹介されると思います。


ベタほめですが、ネックは量が少ないこと。2倍量のロングサイズがほしいです。今回は2本目がそろそろなくなります。アルテコさん、業務用として是非お願いします!

次はこちら。

モーリンの「道路作製セット」と「水面作製素材セット」。同社のオリジナル素材に、リキテックスのメディウムなどがワンパッケージされたもので、バラ買いする手間がありません。実践でテストして吟味された感があり、何よりも安心して使えるのがグッドです。今回、路線回りのバラストにもモーリン製品を使っています。

最後はこちら。


山積みになった空箱です。誰が作っても同じに見えると言われがちな「街コレ」「ジオコレ」シリーズですが、密集した熱海を再現するために使用しました。レイアウトのベースに変化を加えることでオリジナリティが出てきます。詳しくは番組で!

今回の「鉄道模型ちゃんねる・スペシャル2」のレイアウト制作が、現在の場所での最後の大きな仕事になります。

残された、あと二日を大切にがんばります!

2011年5月3日

撮影進行中!

 

6月11日放映の「鉄道模型ちゃんねる・スペシャル2」の撮影が進行しています。今回、我々がいただいたミッションは「昭和の熱海(Nゲージ)」です。おしりは決まっているのですが、完成への道のりは、まだまだほど遠く、連日、集中力がなくなる体力の限界まで作業を続けています。

しかし流れる時間の早いこと何のって。。。

今日は、今はなきホテルをひとつ、フルスクラッチで完成させました。当時の図面はなく、数少ない写真だけがたよりでした。(この写真はまだまだ制作途中のものです)


あとで数えてみると、このホテルに仕込んだ照明(LED)の数は46個になっていました。客室に灯る光は、見た目の臨場感を重視して照度を変えています。制作過程は番組でも紹介されることと思います。

熱海は美しい夜景でも有名です。熱海城はすでに完成済ですが、城の山頂から見下ろすあの夜景、光の数たるや凄まじいものがあります。これを表現しなければなりません。ほんとうに、どエラいことです~

時間との戦いはとても苦しいですが、制作に没頭しているときは我を忘れます。こうしたら、ああしたら、ここを工夫すればもっと面白くなる。。。とか。難しいものであればあるほど、それがどうしたら出来るのか、それらを考えることがとても楽しいです。

先日は帰路、あれこれ考えながら歩いていたら電柱にぶつかりました。最近は無意識のうちに自分がどこかにワープしているような、ハッとすることが多くなってきました。

挑戦したいものは、まだまだ山ほどあります。自分が生きている間に、はたしてどれだけを積み上げることができるのか、そんなことをつらつらと。。。

パートナーの岡野は地表成形を担当。彼も根っからの制作屋。レイアウトを構成する能力とセンスは並外れています。彼も全身全霊、戦っています。


というわけで、私は、今日は完全にゼンマイ切れです。

今日が昨日なのか、曜日と時間の感覚がまったくなくなってきています。

時差ボケ以上の状態であります(笑)

これから少し寝る時間をいただき、再び全速力で走ろうと思います。