2011年4月1日

メルクリンZ・メンテナンス

 

今日はメルクリンZゲージのメンテナンスについてご紹介いたします。

メルクリン製品のメンテナンスについてはこちらのページでもご紹介していますが現在は、もっぱらZゲージを主力にしています。機関車はお客様がオークションや中古販売店で購入されたものが大半で、調子が悪くスルー状態で入庫いただくケースがとても多くなっています。

内部が汚れきったものや、車軸に毛髪やじゅうたんの毛が巻き付いていたりするのはあたり前、モーターコイルの短絡や集電板の折れ、ひどいものはモーターブラシのかわりに真鍮板が突っ込んであるものまで多彩です(汗)

また、新品でも簡単な走行テストでは見抜けない「オイル劣化」があります。純正オイルは劣化が早く、数カ月の放置でも高粘度化(やがて固着)してモーターに大きな負担をかけ、電気機関車のプラスチックボディは熱(モーターコイルの短絡も同様です)で変型してしまいます。

製造から販売まで数年を経たものはギアに錆びが浮きはじめているものもあります。問題なく走ったとしても、気持ちがよくないです、私としては大いに気になります。

メンテナンスは、数をこなして個々の特徴を理解すればどなたでもできますが、私どもにご依頼いただく以上、きちんとした対価をご提供するのは大前提です。

こちらはメルクリンZの保守パーツをストックしているパーツケース棚です。突っ張り棒のおかげで、先日の地震でも倒れることはありませんでした。。。


交換頻度が高めのパーツは常に多めにストックしています。メルクリンにオーダーを入れて2年待ちになっているパーツもあります。こればかりはメルクリンからのデリバリーを待つしかありません。。。


一昨日、年代物の8851(スイス型電気機関車)がメンテナンスで入庫しました。塗膜劣化で車体は汚れてカスカス状態、まず車体の汚れおとしから。。。

上部の配管や窓は外すこともできるのですが、劣化のため変型や折れる場合があるのでそのままにして、パンタグラフだけを外し、希釈させた中性洗剤で高圧洗浄します。ブクブクと窓の間から汚れが浮き上がります。


乾燥後、液体ワックスを使って低回転のバフがけで表面に潤いを与えます。バフは貴金属用のもっともやわらかく高価なものを使っています。回転と圧力を注意することで塗料が剥がれるようなことは決してありません。


このモデルはこれが限界。。。でもここまで綺麗になりました。


続いて、中を開けてみると。。。オイルベタベタ状態でした。


モーターも、オイルまみれです。


こちらはCCDカメラによる回転子の拡大写真です。ギラギラしているのはオイルです。


このモーターは旧3極ですが、削りカスと汚れで電極が短絡して不等長の2極状態になっていました。これでは片肺状態、スムーズには走りません。清掃後はこんなに綺麗になります。


ブラシは減っていますが、もう少し使えます。左右付いていた向きに合わせて戻します。この他、ギアをバラして点検洗浄、車輪の軽研摩、オイルアップして組上げました。3極モーターでもきちんとメンテナンスをすれば、惚れ惚れするような走りをしてくれます。

今回のメンテナンスは交換パーツはなし。オーバーホールのみでベストコンディションとなりました。料金は¥2,500(ボディ洗浄サービス)でした。

メルクリンZのメンテナンスに自信がないお客様、どうぞお気軽にご相談下さい!